今月のフェミニスト本 『これからの男の子たちへ』

月に3冊、性(ジェンダーセクシュアリティ)に関する本かフェミニズムをテーマにした本を読もうと決めている。期末試験と重なったせいもあり11月は1冊しか読めなかった。

 

太田啓子さんの『これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン』。とても良い本で、読んで良かったと思った。読みながら何度も「うん、その通りだ」と首肯する。新しい視点を得る、ということはあまりなかったけれど、それは私の周りに性差別を意識する「きっかけ」が良くも悪くも多いのだと思う。高校生の頃に読んだら「目からウロコ」だったはず。特に「炎上CM」のどこがおかしいのか、この本を読んだらよく分かる。「性的な表現だからだめ」なのではなく、何が性的なものとして表象されているのか、どこで誰を対象としているのかが問題。

 

たくさんの10代の人が読むといいなあと思っている。たとえ「男らしさ」のプレッシャーから簡単に自由になれないとしても、「男らしさ」(と言われているもの)は作られたものであり、本能や科学的なことではないのだ、と分かるだけでも気が楽になるように感じる。今自分をとりまく「男らしさ」と全く違う考え方はこれまでの時代や今ある国にも存在する。

 

対談がどれも面白かった。特に小島慶子さんとの対談は印象的なことばが沢山あった。

「社会を変える」というと大ごとのようだけれど、自分の言ったことは周りのひとに影響を与えるのだ。そのことを意識して自分の子どもと話しているお二人は凄いと思い、私も真似してみている……けれど、説教臭くなってしまう。「伝え方」がとても難しい。